ジョンヒョン1stFullAlbumのこと
今さらだけど、ジョンヒョンのソロ1stフルアルバムが良かった の話です。
SHINee(シャイニー)のメインボーカルであるジョンヒョンが、ソロ1stフルアルバムとしてリリースした「좋아(チョア)」について
チョアとは「好き・良い」という意味の韓国語。
SHINeeがデビューしたのが2008年、ジョンヒョンがソロとしてデビューしたのが2015年でした。
・1stミニアルバム「BASE」
・小品集 「物語 Op.1」*1
を出し、今回の1stフルアルバムで3作目となります。
ちなみに韓国ではシングルという形をあまりとらず、ミニアルバム(5曲程度)かフルアルバム(10曲程度)ごとCDを出すことが多いです。*2
日本のようにシングルを出すごとに音楽番組などの活動をして、次のアルバムに「既出のシングル曲+新曲」を収録するのではなく、アルバム全曲を新曲で構成し、その中から活動曲となる1.2曲が選ばれます。*2 そのため、よりアルバム全体に統一感を出しやすく、アルバムごとの“コンセプトや色”というのを強調しています。
そのコンセプトに合わせて髪色や髪型、メイクをガラッと変えたりすることが多く、韓国アイドルが時にトンチキ衣装やレインボー頭になってたりするのはこのためです。
そして、ミニアルバムとフルアルバムはそれぞれ区別されるため、今回のフルアルバムが1stということになります。
【曲目】
1曲目に今回のタイトル曲「チョア(She is)」、2曲目にもう一つの活動曲「White T-Shirt」がきます。これは前作と同じ構成です。
ここ2.3年、SHINeeのアルバムではタイトル曲が2曲目にくることが多く、1曲目がアルバムの導入曲になっていました。所属事務所のSMエンターテインメントとしては珍しい構成ですが、特にそのSHINeeの流れを汲んで、ということはないようです。
【アートワーク】
今回は前作と打って変わって、色を前面に押し出しています。
黄色、青、ピンク…
目がチカチカしてしまいそうですが、中身はとってもオシャレです。色使いやレイアウトが素敵ですね。
ジャケ写はこんな感じです。
KpopのCDはCDケースがかなりバラエティに富んでいて、プレゼントみたいに箱形のケース*3だったり星型のプラスチックケースだったり、CDはどこ?ってなるくらい変なものが多くあって、それが好きなんですが、最近は日本のようなクリアケースも出てきてちょっと寂しく感じる時もあります。
写真集かと思うようなブックレットに歌詞が書いてあったり…
今は音源だけでいくらでも買えてしまいますが、こういうパッケージも含め、ひとつの作品として考えられているのが好きで私は買っています。
チョア(좋아)のハングルを針と糸に見立てたロゴ
これは本当に可愛いです!糸が針を通るような動きで描かれます。
ぜひ動画で観てみてください。
【teaser 1】JONGHYUN 종현_좋아 (She is)_Teaser Clip 1 - YouTube
【teaser 2】JONGHYUN 종현_좋아 (She is)_Teaser Clip 2 - YouTube
【teaser 3】JONGHYUN 종현_좋아 (She is)_Teaser Clip 3 - YouTube
【teaser 4】JONGHYUN 종현_좋아 (She is)_Teaser Clip 4 - YouTube
タイトル曲の他、アルバム収録曲を散りばめていたり、またはハイライトメドレーを出したりもします。
いくつか曲の感想などなど、、
チョア(She is)
JONGHYUN 종현_좋아 (She is)_Music Video - YouTube
まさにジョンヒョンがタイトル曲に選びそうな曲!と思いました。前作のデジャヴと雰囲気がちょっと似ているような。爆発的な盛り上がりはなく、一定のテンションを保ちつつ、小さな山場がいくつかある。Bメロ前に入るギターで一旦落として、そこから徐々にバスドラムがテンポを上げてサビ!という緩い上がり下がりが心地よい〜。サビのベースも最高です。
MVはとにかく可愛いくて、次々変わる場面に目が追いつかないほど。
無表情の黄色いお姉さん達と踊るジョンヒョン
おじさんとぎゅうぎゅう詰めの小屋
上がったり下がったりするおじさんず。
とにかく黄色押し。
White T-Shirt
JONGHYUN - White T-Shirt Comeback Stage M COUNTDOWN 160526 EP.475 - YouTube
同じく活動曲として音楽番組でも披露されたこの曲。なんかもうとにかく楽しい!ピアノの音が印象的なジャズやハウス要素のあるダンスミュージック。
個人的にはここの振付が好きなんです。はい右!
左!
指差しです。お姉さん綺麗…
ジョンヒョンの作る曲はキーが高いことが多いので、この曲ではいつもあまり聴けない低音をたくさん聴くことができます。
デジャヴとはまた違った、軽快なチャラさがあって好きです。
AURORA
好きな人を目の前にした時の美しさを、オーロラを見た時の気持ちに例えたこの曲。
もったりスローなネオソウルナンバー。メロディーが本当に素敵です。歌詞はもっと素敵!サビの歌詞がこちら。
目の前の君は
君を見つめるのは
華麗なカーテンのように揺らめく君を見つめるのは
目の前の君は優雅で
騒がしい世の中で君という光はとてもまぶしい
日本語にするのがもったいないくらい( i _ i )曲と歌詞が合わさった時に、その情景が容易に浮かんでくるようなそんな曲です。
【まとめ】
とにかく良い、全曲良い
捨て曲なしの良曲ばかりでした。
それぞれ個性的な曲ながら、全体のバランスがとても良くとれていて、順番通り聴いた時の最後の余韻がなんとも言えない心地よさ。始まりの印象強さや曲と曲の間(ま)、最後の曲が終わる無音の瞬間まで、全てに想いがこもっていました。
彼の自作曲が増えてきて感じるのは、ジョンヒョンの書く歌詞は小説みたいだなぁということです。描写の仕方や言い回しがとても素敵。*4
SMエンタは元々「作る/演じる」を完全に分業化し、所属アーティストは国内外のプロの音楽家たちが作る、完成された綺麗な音楽を演じるだけでした。もちろんその洗練された音楽がSMの強みでもあります!*5
そんな中シンガーソングライターという異色の存在としてその地位を確立したジョンヒョン。一音楽家としての今後の活躍に、期待しかありません!
最後まで読んでくださりありがとうございました。
m(_ _)m
*1)小品集:ジョンヒョンがDJを務めるラジオ番組のプロジェクトコーナーにて、リスナーから歌詞のアイディアを募りジョンヒョンが作曲した全9曲を収録。
*2)ここ1〜2年程は、主に配信限定でシングル曲をリリースすることも増えているように思います。また過去に発表した曲のremixバージョンを収録することもあり、全て新曲ではない場合も。ただ既にCD化した音源を再収録して出すことはほぼありません。(リパッケージ除く) VIXXはデビュー当時、短いスパンでカムバックするため3曲入りのシングル(内1曲はタイトル曲のインスト)を出して活動していました。しかし依然アルバム形態が主流ではあります。
*3)問題の箱形ジャケット
EXOの「12月の奇跡」というアルバム。クリスマスプレゼント的なコンセプトだったためこんなトンデモ仕様に。
*4)【日本語字幕】JONGHYUN(정현)-She is (좋아) ジョンヒョン - YouTube
チョアの歌詞を和訳しながら、ジョンヒョンの作詞曲「Symptoms」のことを思い出しました。恋煩いの様子を病気に例えた歌詞がとても良くて、中でも「薬は君しかいない」というフレーズが印象的でした。病気の原因も「君」、治せるのも「君」という恋煩い特有の矛盾と苦しみを上手く表現していて素敵だなぁと思いました。
샤이니_상사병 (Symptoms by SHINee@Mcountdown 2013.10.10) - YouTube
*5)数年前、同じくSMエンタに所属するBoAが、日本のテレビのインタビューでとあるアーティストから曲作りのことを聞かれた際に「(作詞や作曲など)できる人がやればいい。それで良いものが出来るんだったらその方がいいでしょ?」と言っていました。なるほど、確かにそれも一理あるなと。それは決してアーティストとしての怠慢ではなく、自分は自分のやるべきことをしっかりやればいい、という意味なのかなと思いました。